【続】キミとひとつになれたら
「とにかく、河瀬ちゃんはちょっと自分の殻に閉じこもり過ぎな面があるよ?少しずつでいいから周りと向き合ってみな」
私は大きく頷いた。
翔くんがあまり何も言わないのをいい事に、私……少し甘え過ぎてたかもしれない。
甘え過ぎてるから。
だから、いつまでも前に進めない。
「いつまでも、トラウマを引きずってちゃダメなのにね……。四ノ宮くんとの事、すっごく大きなトラウマになっちゃってて……」
今でも鮮明に覚えてる。
監禁されていた、屈辱的な日々……。
「トラウマは、無理して乗り越えられるもんじゃない。ゆっくりゆっくり、地味に克服していくしかないんだよ。そんな簡単に前に勧めたら、誰も苦労しないし悩まないよ」
ポンッと上条くんの手が頭に置かれて、少し乱暴にワシャワシャと撫でられた。