【続】キミとひとつになれたら




「あれ」


後ろから聞こえてきた声に、穏やかだった気持ちが一転。




「あっ……悠希くんっ」


「……」


「あー、そういや翔、もう退院したんだったね」



振り向いた先には、ヘラヘラと笑う上条。



「ごめん、小春ちゃん。翔が退院した事、知らなかったから……。いつもの癖で迎に来ちゃった。ほら、最近は俺ら2人で学校行くのが日課になってたから」


言い方が、嫌味っぽく感じるのは多分気のせいなんかじゃない。




「えっと……退院する事、伝えたと思うんだけど……」


「そうだっけ?ごめーん。俺、なんか忘れっぽくて」



小春はオロオロした様子で少し困ってる。


忘れっぽいんじゃなくて、わざと忘れたフリをしたんだろ?



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