【続】キミとひとつになれたら
「あいつの事、大切に思ってんだ。なるほど。お前の気持ちはよーくわかったよ」
「翔くん……?」
トントントントン。
野菜を切る音だけがする。
妙に気まずい空間になってしまった。
怒ってるの……?
「あの、翔くん、怒ってる……?」
恐々とそう聞いてみると、ガンッと大きな音がした。
包丁がまな板に思い切り叩きつけられた音。
「別に。怒ってない」
「……」
「ご飯は俺が1人で作るから、お前は何もしなくていいよ」
突き放すみたいに、冷たい。
こんなの違う。
こんなの翔くんらしくない。