【続】キミとひとつになれたら
「あの、あんまり見られると……」
「忘れられんの?」
「え?」
「四ノ宮の一件を、お前は綺麗に忘れる事ができるの?最近、前に進もうとがんばってるみたいだけど……」
棘のある言い方。
口調に、いつもの優しさがない。
怒ってるの?
「小春、黙ってないで答えてよ」
「っ」
嫌だな、この空気。
すっごくしゃべりにくい。
「綺麗に忘れる事は、できないよ……」
自然と小さな声になった。
翔くんの顔が真っ直ぐ見れない。