【続】キミとひとつになれたら
咄嗟に耳を塞いだ。
翔くんはニヤッと笑い、床に落ちてる包丁を手に取った。
「ひっ……」
逃げようとしたが、立ち上がれない。
必死に後ずさりして彼と距離を開けた。
だけど彼は包丁を持ったまま歩み寄ってきて、距離を詰めてくる。
「なっ、何するのっ……」
「……」
「翔くんっ!!やめてっ……」
募る恐怖。
怖い、逃げたい。
けど、背中が壁にぶつかった。
これ以上は逃げられない。
「小春はさ……あいつと、ひとつになった。だから」
ニコッと微笑み……。
「俺も、小春とひとつになりたい」
最も恐ろしい言葉を口にした。