【続】キミとひとつになれたら
「私も入ろうっと」
「つーかここ、携帯が圏外なんだけど。ありえない」
「別にここまできて携帯いじらなくていいだろ」
そういえば小さい頃、家族でこういう所にキャンプに来た事が1回だけあったっけなぁ。
微かにしか覚えてないけど。
確かお兄ちゃんと、こういう河原で遊んだんだっけ……。
昔の事を思い出してると、バシャっと音を立てて太もも辺りに水がかかった。
「河瀬さん!ボーっとしてどうしたの?一緒に遊ぼうよ」
「桜川さん……」
「川遊びなんて、私、初めてなんだ。河瀬さんは?」
「私は1回だけ……昔、キャンプに行った事があるから」
こんな風に私に普通に接してくれる女の子、いたんだ。
そう思うと胸がジーンと温かく。
確か桜川さんとは3年生になって初めて同じクラスになったんだっけ。