【続】キミとひとつになれたら





野菜を切ってると。




「ほんっとに意味不明なんだけど」



藤堂さんが隣に来た。


あいにく翔くんは上条くんとしゃべってて。

桜川さんはお米を洗ってる。





「四ノ宮が異常に愛した女って、どれ程絶世の美女かと思ったら。ぜんっぜんそうでもないじゃん。つーかあんたブスだし。何であんたみたいなブスが愛されるわけ?」



藤堂さんの言葉が、突き刺さる。


ブスという事は、とっくの昔に自覚してる。





「おい、藤堂。お前サボってばっかいないで、手伝えよ」



上条くんが藤堂さんに注意した。


でも河原から帰ってきてから、やたら不機嫌な彼女は「嫌よ」と怒ったように答えた。




「つーかさ、内田はどこ行った?」


「あぁ……内田っちなら、テラスにいるよ。なんか調子悪そうだから」



そういえば。

内田くんの様子が少しおかしい気がする……。




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