【続】キミとひとつになれたら
「え、何……?」
「いえ……ただ、あなたは優しいな、と思って。小春さん」
「そう、かな……?」
【優しい】
ちっとも嬉しくない言葉。
だって私は最低女だから。
四ノ宮くんをあんな化け物にさせてしまった私は、優しくない。
「僕の中で、女はカッコイイ男にだけ優しくする。僕みたいな地味男には冷たい。それが女のイメージでした。でもあなたは違う」
メガネの奥の瞳が、鋭く私を捉える。
何故かゾクッとした。
「さすが……四ノ宮くんが愛しただけありますね」
その名前は、聞きたくない。
忘れるために来たのに。
「僕、ずっと小春さんとお話したかったんです。だってあなたは、とても美しい人だから。あなたの何気ない優しさは、あなたの最大の魅力……四ノ宮くんが溺愛するのも無理はない」
この子、苦手かもしれない。
直観的にそう感じた。