【続】キミとひとつになれたら
胸騒ぎと惨劇
少し張りつめた空気。
楽しい雰囲気はない。
みんな、どこか落ち着かない様子。
「内田っち、戻ってこないな……」
そう。
外に行ったまま、内田くんが戻ってこない。
藤堂さんも戻ってこないまま。
何で戻ってこないの?
散歩にしては長過ぎる。
「河瀬さん……大丈夫?汗、すごいよ?」
「だ、大丈夫っ……」
そう、大丈夫。
きっと何事もないはず。
何も起こらない、大丈夫。
彼はいない。
ここに彼はいないんだから……。
「っ……」
「河瀬さん?具合、悪いの?」
「なん、で……」
ギュッと、汗の滲んだ手を握りしめた。