【続】キミとひとつになれたら

胸騒ぎと惨劇






少し張りつめた空気。
楽しい雰囲気はない。


みんな、どこか落ち着かない様子。




「内田っち、戻ってこないな……」



そう。

外に行ったまま、内田くんが戻ってこない。


藤堂さんも戻ってこないまま。



何で戻ってこないの?
散歩にしては長過ぎる。




「河瀬さん……大丈夫?汗、すごいよ?」


「だ、大丈夫っ……」



そう、大丈夫。
きっと何事もないはず。
何も起こらない、大丈夫。


彼はいない。
ここに彼はいないんだから……。



「っ……」


「河瀬さん?具合、悪いの?」


「なん、で……」



ギュッと、汗の滲んだ手を握りしめた。




< 83 / 277 >

この作品をシェア

pagetop