声紋
2 1980年1月13日
冬の日の出会い
この日は朝から雨で、夜になると雪に変わっていた。
3階のライブハウスから、ややロングのパーマをかけた男が一人、玄関の鍵をかけ階段を降りる。
時間は25時。繁華街に近いとはいえ、終電を終え、さすがの寒さで外にいる者はほとんどいない。
だから男が見つけるまでは、ライブハウスのらせん階段に凍えながら座り、今にも倒れそうな目をしている少女がいることなんて、誰も気づくはずもなかった。
ロングパーマの男「君、こんな時間に何をしてるんだ?」
少女 「・・・・・」
しばらく男は少女を見つめていると、彼女の目に涙が溜まっていくのが見えた。
ロングパーマの男「ねえ、家はどこ?」
少女 「ない・・・」
ロングパーマの男「ないって・・・」
男は困った顔を見せたが、鼻で「フフッー」と息を吐くと、少しだけ笑顔になり少女の手を引っ張った。
ロングパーマの男「立てるか?」
男はそう言いながらも少女の答えを待つことなく、しっかりと少女を抱えて、今来た階段を上っていった。
抱えたまま上手に玄関の鍵を開け、ライブハウスに入る。
3階のライブハウスから、ややロングのパーマをかけた男が一人、玄関の鍵をかけ階段を降りる。
時間は25時。繁華街に近いとはいえ、終電を終え、さすがの寒さで外にいる者はほとんどいない。
だから男が見つけるまでは、ライブハウスのらせん階段に凍えながら座り、今にも倒れそうな目をしている少女がいることなんて、誰も気づくはずもなかった。
ロングパーマの男「君、こんな時間に何をしてるんだ?」
少女 「・・・・・」
しばらく男は少女を見つめていると、彼女の目に涙が溜まっていくのが見えた。
ロングパーマの男「ねえ、家はどこ?」
少女 「ない・・・」
ロングパーマの男「ないって・・・」
男は困った顔を見せたが、鼻で「フフッー」と息を吐くと、少しだけ笑顔になり少女の手を引っ張った。
ロングパーマの男「立てるか?」
男はそう言いながらも少女の答えを待つことなく、しっかりと少女を抱えて、今来た階段を上っていった。
抱えたまま上手に玄関の鍵を開け、ライブハウスに入る。