ご懐妊は突然に【番外編】
「会いたいなあ…双子ちゃん。匠ちゃん似だったら私にも似てるよね、きっと」

散々地味だの、華がないだと言っていたが、兄とソックリだという自覚はあるようだ。

「双子ちゃんの事はどうしても燁子さんに直接報告したかったの」

「ええーなんか嬉しいなあ」燁子さんは照れてはにかんだ。

「でも、遥ちん、よくここが解ったね」

私はフフっとミステリアスに微笑んではぐらかす。

国家権力を行使して航生さんに調べてもらった事は内緒にしておこう。

私はさりげなく、話題を変える

「匠さんが三鷹に新居を建ててくれて先日引っ越したの。燁子さんも遊びに来てよ」

ええ！と言って、燁子さんはキラリと目を光らせた。

が、しかし、何かを思いついたようにハッと目を見開き口籠る。

「匠ちゃんが怒りそうだな」燁子さんは苦笑いを浮かべてぼそりと呟く。

「怒らないよ。メチャクチャ心配してるから元気な姿を見せてあげて」

でも…と燁子さんは言い淀む。

「匠さんに会うのが気まずいなら、いない時においでよ。どーせ月の半分は出張で家を空けてるから」

「うん！そうするー！」

燁子さんは満面の笑顔で即答する。

ここまで妹に避けられて、匠さんがちょっと気の毒になってしまった。
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