暫定彼氏〜本気にさせないで〜
「お前、大丈夫なのかよ?」


「何が?」


「何がってあいつとの事だろ。」


「別に…………大丈夫だけど。」


私の事を心配して志賀が言ってくれてるの分かるのについ素っ気ない返事になる。


正直に言うと自分でもどう気持ちの整理をつければ良いのか分からない。


「その後、あいつから連絡あったのか?」


「無いわよ。別にこっちからする事もないし。」


「なんでだよ。連絡してみろよ。何か事情があるのかもしれないだろ?」


志賀が諭すように言う。


志賀のいう事も分かるんだけど、だからと言って私に何も言わずにいなくなったという事はそういう事なんだろうと思う。


言えないんだと思う。


実は一度だけ陽日にメールを送ったんだ。


体調でも崩しているんじゃないかって……。


陽日からの返事は「また連絡するから」ってだけだった。


だから私もそれ以上、聞かないし連絡する事もない。


きっとあの時言ったみたいに話せる時が来たら話してくれるんじゃないかって微かな希望を持ちながらも日々は過ぎていき


陽日が突然の休職届けを出して会社に来なくなってから数週間が経とうとしている。


11月も半ば過ぎて、この前まで秋色だった街の景色が少しずつカラフルに彩られクリスマスの訪れを待ち遠しくさせる。


「連絡しろって言ったって……何も言わなかったって事は言いたくないって事かーーー私にはいう必要が無いって事じゃない。」


「お前、それで納得してんのかよ?真実を確かめたく無いのかよ。」


志賀が私の事を思って言ってくれるのは分かるし、ありがたいとも思う。


だけどーーー


私は思ってた以上にどうやら弱い人間の様だ。


陽日を信じるって言った癖に真相を確かめるなんて事、とてもじゃないけど出来そうになかった。





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