暫定彼氏〜本気にさせないで〜
んっと……なになに?
陽日が右手の人差し指で空中に大きく字を書く。
「一文字目、分かった?」
「簡単。木、でしょ?」
「凄い、当たり。」
これくらい、楽勝だよ。
でもきっと陽日の事だから何かあるんだろうな。
大袈裟に褒める陽日を見ているとそう思う。
「次はちょっと難しいからゆっくり書くね。」
そう言うとまた目の前に大きく文字を書く。
んー、さっきより字画数が増えて分かんないなぁ。
「難しかった?もう一回ゆっくり書くね。」
今度は左側の偏が魚だって事は分かった。
それで魚偏の隣は……旨?
魚偏に旨………
「ああ、鮨って文字ね?」
「おっ、凄いじゃん。また当たりだよ。じゃぁ最後は二文字だよ。よく見てね。まずはこれ。」
陽日の男の人にしては長くてほっそりとした綺麗な指先が空中を動く。
「簡単、太いって字でしょ?」
「次の文字はかなりムズいからね。よく見てて。」
二文字目を慎重にゆっくりと書く。
だけど分かりにくい。
「お願い、もう一回。」
「良いよ。」
もう一度よく見るとーーー
「あっ、分かった。陽日の陽の字だ。だから太陽って書いたの?」
「凄いっ、沙紀さん天才っ!こういうのって結構、難しいんだよ。」
といつになく大袈裟に褒める陽日に違和感を覚えつつも悪い気はしない。
陽日が右手の人差し指で空中に大きく字を書く。
「一文字目、分かった?」
「簡単。木、でしょ?」
「凄い、当たり。」
これくらい、楽勝だよ。
でもきっと陽日の事だから何かあるんだろうな。
大袈裟に褒める陽日を見ているとそう思う。
「次はちょっと難しいからゆっくり書くね。」
そう言うとまた目の前に大きく文字を書く。
んー、さっきより字画数が増えて分かんないなぁ。
「難しかった?もう一回ゆっくり書くね。」
今度は左側の偏が魚だって事は分かった。
それで魚偏の隣は……旨?
魚偏に旨………
「ああ、鮨って文字ね?」
「おっ、凄いじゃん。また当たりだよ。じゃぁ最後は二文字だよ。よく見てね。まずはこれ。」
陽日の男の人にしては長くてほっそりとした綺麗な指先が空中を動く。
「簡単、太いって字でしょ?」
「次の文字はかなりムズいからね。よく見てて。」
二文字目を慎重にゆっくりと書く。
だけど分かりにくい。
「お願い、もう一回。」
「良いよ。」
もう一度よく見るとーーー
「あっ、分かった。陽日の陽の字だ。だから太陽って書いたの?」
「凄いっ、沙紀さん天才っ!こういうのって結構、難しいんだよ。」
といつになく大袈裟に褒める陽日に違和感を覚えつつも悪い気はしない。