暫定彼氏〜本気にさせないで〜
確定彼氏
あっという間に年は明け、年末年始は祖父母宅で賑やかに過ごした。


グリーンホールディングスとの話も一旦保留になったと言う。


その後、吸収合併の話はこれと言って無いみたいだし。


そんな動きも今はない。


暮れにおじいちゃんから陽日の辞表が正式に受理された事を聞かされた。


お父さんの会社を継ぐことにしたのだ。


おじいちゃんは申し訳なさそうにその事実を伝えてくれたけど


私は寧ろ、良かったんじゃないかと思っている。


陽日からも一度連絡があった。


会社を継ぐことにしたこと。


暫くは連絡を取ったり会ったりできない事。


けれど沙紀さんへの思いが変わる事は決してないからって。


信じていて欲しい。


それ以降、陽日とは全く連絡を取り合ったりしていない。


けれど今回、何がきっかけで後を継ぐ話になったのか聞いた訳ではないけれど


何れにしてもお父さんとの確執が無くなったとしたなら、それは陽日にとって良いことだと思うから。


だから私の心に迷いや不安は全く無かった。


そりゃ、時々は今の状況に心細くなる事もある。


だけど陽日を信じるって決めたから。


あの日、陽日の胸に抱かれながら二度と離れないって誓いあったから。


だから私はこうして落ち着いた日々を送っていられる。


跡を継ぐことも陽日なりの考えがあっての事なんだろう。


だから私も今の私が出来る事を一生懸命やっていこうと思う。


きっと二人で笑いあえる日が来ることを信じているから。


にしても………


穏やかじゃない事もあったりして………




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