暫定彼氏〜本気にさせないで〜

「君が戸田原 沙紀さん？」


「あっ、はい。戸田原です。」


「会長の孫娘だとか？」


「はい……そうです。」


「端的に聞くが、息子とはどういった付き合いで？」


全く表情を変えずに陽日のお父さんが聞く。


凄い威圧感に言葉が上手く出てこない。


「えっ、どうって………」


「息子は君にビジネス目的で近付いた。私がそうさせたのだから間違いない。」


「はい、聞いてます。」


「そうですか……。君はそれでも平気なのか？」


「えっ？平気とは？」


「そんな人間のこと、これからも信用するに値するのかと聞いているんだ。」


どうしてこうも攻撃的な言葉ばかりを並べてくるのだろうか。


もっと普通に話すことは出来ないのかな……。


ううん、なんか違う。


なんとなくだけど………


この人は攻撃しているんじゃなくてーーー







ーーーー自分を守っているんだ。