暫定彼氏〜本気にさせないで〜
漸く陽日とゆっくり過ごす時間が出来たのは4月も終わりのゴールデンウィークの初めだった。


お互いに休みだし折角だからどこか旅行にでもって思うけど急な話でどこもかしこも予約がいっぱいで………


でも取り敢えず、日帰りでも温泉とか行きたいよねって、その相談も兼ねて今日はうちに来る事になっている。


もちろん、私の手料理を振る舞う予定だ。


メニューは前に約束した唐揚げ。


事前に合わせた調味料に鶏肉を漬け込んで、後は陽日が来たら揚げるだけだ。


やっぱりアツアツを食べてもらいたい。


今回は衣に米粉を使う予定。


これがカラッと仕上がって美味しいのだ。


私のおすすめ。


準備をしていると陽日がやって来た。


ドアを開けると


「ここに来るの久しぶりだな。」


少し照れながらそう言うと部屋に上がった。


「お腹空いたでしょ?直ぐに揚げようか?」


「うん、今日も朝飯抜いてきたからめちゃくちゃ空いちゃった。だけどーーー」


そう言いながらもその手は私を引き寄せ………


陽日の唇がいきなり重なる。



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