暫定彼氏〜本気にさせないで〜









結局ーーー


後片付けをする私に何だかんだとちょっかいを出す陽日に流され


キッチンにてそのまま………


陽日の暴走はそれだけでは収まらず、受けた熱を冷ますべく移動したベッドにても再び………


「ねぇ……怒ってる?」


散々翻弄されクタクタ気味の私をギュッと抱きしめながら陽日が耳元で聞いてくる。


「当たり前でしょ。調子に乗りすぎっ。」


「ええー、だって沙紀さん可愛くて、ついついたくさん意地悪したくなるんだもん。」


なるんだもんってなんだ、もんって。


三十路の私がモンなんて語尾に付けて言おうものなら、それこそどこぞの猫型ロボットと間違えられそうだ。


「折角、部屋探ししようって言ってたのに……」


「ごめんね?でもゴールデンウィーク始まったばっかじゃん。明日は朝から部屋探しに行こうよ。」


「んもぉ……仕方ないなぁ。」


「じゃあ、きょうはこのまま沙紀さんと………」


またもや私に覆い被さってくる。


「んもぉっ、いい加減にしなさいっ!」


今、気付いたけど……


陽日は穏やかな見た目とは随分と掛け離れたとんでもない野獣だったようだ。


これ、一緒に暮らすとなると………


私の身は持つのか?









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