暫定彼氏〜本気にさせないで〜
「いつもながら、早いね。」


その声の方を見るとーーー


「か、課長……おはようございます。」


「おはよう、戸田原さん。」


現れたのは人事部の課長、藤枝さんだった。


「いつもご苦労様。朝来て、オフィスが明るいと気持ちが良いよ。」


「そうですか……。」


それ以上、話すこともないので自分のデスクへと座る。


もちろん、藤枝課長も私のデスクからは少し離れた自席へと向かう。


見てはダメ……。


彼の後ろ姿を見てはダメなの……。


そう思うのにーーー







やっぱり目で追ってしまう。






もう、諦めた人なのに………。





もう、終わった恋なのに………。










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