暫定彼氏〜本気にさせないで〜
ただの社交辞令だって分かるのに、藤枝さんに素敵だって言われて舞い上がっている自分がいる。


「もう前に進んだんだね。」


「えっ?」


「ーーーー沙紀にとって僕はもう完全に過去の人になったんだな……。」


何年かぶりに聞く沙紀、と言う響きに体が熱くなる。


「藤枝さん………。」













「おはようございまーす。」
「課長、おはようございます。」


同じフロアの人達が出社してきた為、それ以上私達が言葉を交わす事はなかった。


私は何も写っていないPCの画面を見詰めながら、何とか落ち着こうと大きく息を吸い込んだ。











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