暫定彼氏〜本気にさせないで〜
なんか、このそっけない文章からでも苛立ちが伝わってくるんだけど………。


やっぱ、TEL番入れなきゃダメぇ?


きっとダメだな。


TEL番入れるまでメール来そう。


仕方なく、番号を入力し再び送信っと。













手元のスマホが速攻に鳴り、慌ててベッドから飛び起きた。


画面には見知らぬ番号。


て言うかこのタイミングで掛かってくる人、一人だけだよね。


しぶしぶ電話に出る。


「もしもし?」


「なんで空メールなんですか?会員登録じゃあるまいし。」


「えっと……どちらさまでしたっけ?」


わざとらしく惚けてみる。


「へぇ……そんな事言うんだ。俺、今まだ会社なんですよね。なんなら、フロアの真ん中で名乗りましょうか?」


「な、なんて?」


「戸田原沙紀さんと一夜を共にした暫定彼氏、加藤陽日ですけど?って。」


「ご、ごめん。それだけは止めて。」


「やっぱ、言おうかなぁ。そうすれば皆に俺達の事知って貰えるし。よし、そうしよっと。」
「わぁーーーーーーー、止めてって。お願い、許して?」


「どうしよっかなぁ……。まだフロアに志賀さんも残ってたっけかなぁ。」


「ちょ、それだけは止めてよ……ね、どうして欲しいの?言いなさいよ。」


はぁ……なんかこの時点で完敗だよね…。












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