嫌いになりたい
「どうしたの?」


その一言で、皆が一斉にあたしを見た


「永野先生にね、プレゼント買ってきたの」


「でもさ、学校に関係ない物って持ち込み禁止じゃん?」


「そーそー。で、担任に没収されたら困るから、宇佐ちゃんに預かっててもらおうかなーって…」


後ろ手に持っていたプレゼントを次々差し出す


「よく、ここに来るまで見つからなかったわね」


堂々と持って来られたのが不思議で仕方ない


「だって、今昼休みじゃん」


「皆、それどころじゃないみたいだし」


『ねー』と言って顔を見合わせ、微笑む彼女達

10歳以上も歳の離れた彼女達の若々しさに、思わず頬が緩んだ


「仕方ないわね。預かっててあげる。放課後、取りにいらっしゃい」


「ホント?!」


「やったーっ!」


「宇佐ちゃん、ありがと───!!!」


事務室にあたし以外が居ないことをいいことに、永野くんに渡すというプレゼントを胴上げする
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