嫌いになりたい
踏み外した一歩
「宇佐美ー」
事務室の引き戸が開くと同時に呼ばれた名前
顔を上げなくても、誰だか分かる
それでも手を止めて書類から顔を上げた
「まだ帰んねーの?」
声の主はやっぱり永野くん
事務室にはあたし1人
時計を見上げると、もうすぐ8時だ
「だって、今日金曜だし…」
「だからだろ。せっかくの金曜なのに、いつまで残業してんだよ」
「もう帰るよ」
明日も明後日も休みだから、出来るだけ今日のうちに済ませておきたかったんだよね
「んーっ」
両指を組んで頭上まで伸ばす
ずっと下を向いていたから、背筋がピンとして気持ちがいい
「それにしても、何であたしが居るって分かったの?」
ここ事務室は、校舎に入ってすぐのエントランスホール横にある
用事がある生徒や学校への来客者の対応用に、エントランス側には大きめのガラス張りの窓が設置されているものの、廊下側の引き戸の窓は磨りガラスになっていて事務室内は見えないはずだ
事務室の引き戸が開くと同時に呼ばれた名前
顔を上げなくても、誰だか分かる
それでも手を止めて書類から顔を上げた
「まだ帰んねーの?」
声の主はやっぱり永野くん
事務室にはあたし1人
時計を見上げると、もうすぐ8時だ
「だって、今日金曜だし…」
「だからだろ。せっかくの金曜なのに、いつまで残業してんだよ」
「もう帰るよ」
明日も明後日も休みだから、出来るだけ今日のうちに済ませておきたかったんだよね
「んーっ」
両指を組んで頭上まで伸ばす
ずっと下を向いていたから、背筋がピンとして気持ちがいい
「それにしても、何であたしが居るって分かったの?」
ここ事務室は、校舎に入ってすぐのエントランスホール横にある
用事がある生徒や学校への来客者の対応用に、エントランス側には大きめのガラス張りの窓が設置されているものの、廊下側の引き戸の窓は磨りガラスになっていて事務室内は見えないはずだ