ナナ色Heart
第1章

事件は突然に

「お前っ!責任とって、俺の怪我が完治するまで俺ん家通って炊事洗濯、全部やれよなっ!このボケッ!!」

「……はい……すみませんでした……」

うっうっ……なんて素敵な出逢いなんでしょ。

感動しすぎて、むせび泣くわっ。

……嘘だけど。

いや、ホントに泣いた、別の意味で。

だって、秘かに憧れてた彼が……あんなに短気で口が悪いなんて。

そりゃ、全面的にあたしが悪かったし、怒るのも当然っちゃ当然だけど……。

……はぁー……。

溜め息も出るよ、ほんと……。

そんな、ブルーな溜め息をつきまくってる、あたしの名前は二宮ナナ。高校二年生。

学年が上がって暫く経ち、次第に緊張感がなくなってきたこの時期に、事件は起きたのよね……。
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