ナナ色Heart
「……うん」

……朝は、いいのか……。

優しいけど、あたしはちょっと残念……。

そんな事を考えていると、

『……ナナ』

低くて、柔らかい声が耳元で聞こえた。

『ナナ』

聴き心地のよい声。

「ん?」

『おやすみ、な』

「うん、じゃあ、また明日ね」

頬が、熱いや。

電話かけてきてくれて、嬉しかった。

……あたし、分かったよ。

やっぱ、山内君が好きなんだ。

眼を合わせたこともなかったあの時より、今の方がずっとあたしは、山内君に惹かれてる。

あたしはスマホを置いてから、ホッと息をついた。

胸の高鳴りがうるさかった。
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