ナナ色Heart
「そっかー……。不良の彼は天才ダンサーだったわけだ」

学校に着いて、あたしが真央にさっきの出来事を話すと、真央は眉をあげた。

「気を付けろって、どういう意味なのかな」

「うーん……そりゃ、言葉通りの意味だろーけど……とにかく、物騒なのは確かだし、夜の独り歩きは、やめといた方がいいかもね」

「うん……」

「ねえ、山内君に相談してみたら?」

真央の言葉に思わずビクッとしちゃった。

「む、無理だよ、だって、ただでさえ玲哉君の件に巻き込んじゃって、怪我させちゃったし……」

あたしは、暫くしてからポツンと呟いた。

「山内君は、あたしの事、多分嫌いだと思うんだよね」

……あたしは、好きなんだけどなー……。
< 105 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop