ナナ色Heart
一方通行の自分の気持ちを考えながら俯いていると、急に机の上に置いてた手を誰かに掴まれた。

「誰が嫌ってるって?」

うわあっ!

グイッと手を引かれ、驚いて振り仰ぐと、山内君があたしの手を掴んでこっちを見ていた。

「山内君……どーしたの?」

驚いたのはあたしだけじゃなかったみたいで、うちのクラスの女子達が、彼を見ていた。

「山内君だ、かっこいー……」

「やだ、ナナと付き合ってるとか?」

ヒソヒソと女子達の話し声がする中、山内君は怒った顔であたしを見つめていた。

「ちょっと来い」

「え」
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