ナナ色Heart
「早く来いっつってんだよっ」

強引に手を引っ張られて、あたしはガタンと机を鳴らして教室を後にした。

な、なんで朝から怒ってるのっ!?

山内君はあたしの手を掴んだまま、廊下を突き進んでいき、やがて非常階段の扉を開けると、コンクリートの階段を上り出し、狭い踊り場でやっと止まった。

クルッと振り向いた彼は、まだ怒っている。

「山内君、どーしたの?なんで怒ってるの?」

あたしがそう言うと、彼はあたしの手を掴んだままで口を開いた。

「お前、バカじゃねーの」

バカって……。

……ボケの次は、バカ……。

「どうして?」
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