ナナ色Heart
隼人は軽く頷いてから、低い声で言った。

「ナナは、凄く良い娘なんだ。辛い思いや悲しい思いをさせないでやってくれないか」

は、隼人……。

「俺達、付き合う事になったから」

「答えになってない」

隼人は射抜くような眼差しで山内君を見ている。

「俺は、昔からナナを見てきている。
ナナは、俺の大切な幼馴染みなんだ。絶対に泣かせないでくれ」

「わかってる」

「因みに」

隼人がそこまで言った時、車が二人の真横を通ったから、あたしには隼人が何を言ったのか聞こえなかった。

あ、早く着替えなきゃ!

慌てて着替えて、あたしは外に出た。
< 127 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop