ナナ色Heart
再び、金髪男が山内君に近付きながらバキバキと指を鳴らした。

「男前が台無しになる前に、ひとりで消えな!」

やだ、どうしようー!!

圧倒的に山内君の方が背が高く、逞しいけど、何せ相手は、見た目的にも不良だし、三人もいる。

どうしよう、どうしよう!

山内君が、負けちゃって殴られたりしたら、あたし……!!

あたしは辺りを見回したけど、行き交うのは車だけで、どうしていいか分からなかった。

けど、よく見ると、閉店した喫茶店の裏口に持ち手の長いホウキが一本、立て掛けてあった。

あたしは迷わずにそのホウキを手にとって構えた。

実はあたし、中学まで剣道してたのよね。
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