ナナ色Heart
あたしがそこまで言った時、山内君があたしをギュッと抱き締めた。

「ごめんな、ガキっぽくて。けど俺、ナナがすげー好きなんだ」

あたしは今まで、誰にもそんな風に言われたことがなかったし、言ってくれたのが山内君だったから、凄く嬉しくて幸せな気分だった。

「俺、お前がもっと知りたい。お前を全部、包んでやれるくらい、お前に詳しくなりたい」

山内君はそこまで言うと、ゆっくりとあたしから離れて、ニコッと笑った。

「俺の、ナナ」

俺の、ナナ……。

「ダメだ、買い出し行こーぜ!このまま家にいたら、ヤバい」

山内君はそう言うと、勢いよくソファから立ち上がって玄関へと向かった。

「行くぞ」

「あ、うん」

照れ臭そうな彼の瞳が、凄く素敵だった。
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