ナナ色Heart
「許せないっ!」

真央が鼻息も荒く叫んだ。

「こんなにナナの眼を腫らしてブスの一歩手前にするなんて、あの俺様キャラめっ!」

ブスの一歩手前って!

まあ、まだ手前で良かったけれど!

それから心配そうな顔であたしを見つめて、再び口を開いた。

「でもさ、変じゃない?」

「そりゃ変だよ、抱き合うなんて」

「そこも変なんだけどさ、なんかこう……」

真央は暫く黙り込んでいたけど、鋭く瞳を光らせて腕を組んだの。

「昨日、山内君は、用事があるから先に帰っててって、言ったんだよね?それって、ライン?」

あたしは首を横に振った。

「直接、ここまで言いに来たよ。それからあたしはひとりで校門を出て、そこでラインが入ったの」
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