ナナ色Heart
放課後、あたしは山内君を非常階段に呼び出した。

真実が知りたかったし、苦しい心のままでいたくなかったんだ。

あたしより先に、山内君は狭い踊り場に立っていて、外の景色を見ていた。

「山内君」

あたしの声と共に、彼は振り返ってあたしを見た。

あたしは思わず微笑んだ。

だって彼の眼が、凄く綺麗だったから。

「ナナ、俺の話、聞いてくれる?」

あたしは無言で頷いた。

真央の推理は概ね当たっていて、あたしは本当に彼女が探偵に向いているかもって、思っちゃった。

「有紗は……俺の親父の親友の娘なんだ。
で、俺らは……付き合ってた」
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