ナナ色Heart
僅かに固い笑顔を見たら、まだあの日の後悔を胸に秘めているのが分かったから、あたしは大きく口を開けて笑いながら言ったんだ。

「玲哉君、その顔やめて。あたしもう、気にしてないって言ったよね?……それよりさ、あたしと友達になってくれない?」

玲哉君はビックリした顔をしたけど、やがてフッと笑って頷いた。

「分かった」

「それと……暇なときにあたしにダンス教えてくれない?」

玲哉君は嬉しそうに笑った。

「いいよ」

「やったあ!」

それからあたしをジッと見て、何か言いたげな眼をしたの。

あたしが、なに?って感じで首をかしげて玲哉君を見上げると、彼は思いきったように言った。
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