ナナ色Heart
「二宮……ちょっと時間あるか?」

玲哉君の瞳が不安げに揺れているようで、あたしは少し驚いたけど、すぐに頷いた。


玲哉君に連れられて行った先は、近くにある姫山総合病院だった。

去年は高度救命救急センターが開設されて、病棟も建て直して新しくなったし、この辺じゃ有名な病院なんだよね。

たしか隼人もこの病院で診察をうけてたな。

本館の中は、あたしが昔来たときよりも凄く綺麗になっていて、面影と言えば、エレベーターとエスカレーターの位置だけが同じだった。

本館を抜けて2号館の6階に着くと、玲哉君は一番奥の病室に入った。

続けてあたしもそっと足を踏み入れて、ひとつしかないベッドを見たの。

「真朝……」
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