ナナ色Heart
玲哉君が優しく声をかけた。

真朝と呼ばれた彼女は静かに横たわり、眼を閉じたままだった。

とても色の白い、綺麗な女の子。

玲哉君は、愛しげに彼女の髪をそっと撫でると、グッと眉を寄せたの。

「恋人なんだ。いつか、眼が覚めると信じてる」

あたしは言葉が見つからなくて、ただ玲哉君の悲しげな瞳を見つめた。

「俺と待ち合わせの日に、事故に遭ったんだ。オートバイに接触されて、転倒したらしい。
目立った外傷はなかったんだけど、医者曰く、打ち所が悪かったらしくて」

彼は手の甲で優しく真朝さんの頬に触れて、掠れた声で続けた。

「もう、3ヶ月もこの状態なんだ。真朝は早くに両親をなくして、父親の妹夫婦しか身寄りがないんだ」

「玲哉君……」

胸を突かれて、あたしは思わず俯いた。
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