ナナ色Heart
「会う前に連絡したとき、言われたわ。好きな人がいるって。だから、私とはもう会わないって。
調べたら、すぐ分かったわ、蓮の好きな人があなた……二宮ナナさんだって。
少し怖い思いをしてもらって、蓮には近づくなって警告するつもりだったのに……あのバカが、しくじるから」

バカって……玲哉君の事!?

有紗さんは、あたしを射るように見つめた。

「どうして……玲哉君にあんなこと」

緊張と恐れで声が掠れて、あたしはそこまでしか言えなかった。

「玲哉はね、私の幼馴染みよ。蓮よりも古い付き合いでね、彼の恋人が植物状態なのは知ってたわ。私がパパの病院に彼女をおいてあげてるのよ、特別にね」

あたしは、全身の血が逆流しそうな気がした。

怒りが込み上げてきて、彼女を睨んだ。
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