ナナ色Heart
「……はい」

あたしが返事をすると、低くて魅力的な彼の声がした。

「開けろ」

「は?」

「玄関開けろっつってんだよ」

「あ、うん」

あたしは、ベッドから飛び出ると、急いで一階へ降りて玄関の鍵を外した。

ドアをそっと開けると、背の高い山内君が不機嫌な顔であたしを見下ろしていて、あたしは慌てて言った。

「お、おはよう……」

挨拶を返さず、山内君はあたしを避けるように体を斜めにして中に入ると、小さくお邪魔します、と言って靴を脱いだ。

「あの、どうしたの、こんな朝早く」
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