ナナ色Heart
あたしの喉がゴクンと鳴った。

「玲哉君は、そんなんじゃ」

「もう、いいわ、お前が誰と会おうが。俺が信じられないなら、玲哉君といれば?」

全身に氷水をかけられたように、あたしの体は一気に冷たくなった。

「信じてないのは山内君じゃん!こっちこそ、もういい。有紗さんといれば?彼女の髪に指絡めてキスしてたらいーじゃん!」

眉を寄せて頬を歪めると、山内君はスッとあたしの脇を通って出て行った。

もう何も言わなかったのが、あたしに心底嫌気がさした結果だと分かった。

最悪だ、あたし。

嫉妬と怒りで彼を傷つけた。

痛い。胸が痛くて死にそうだよ。

あたしはひとりになった部屋で、声をあげて泣いた。
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