ナナ色Heart
結局この日、あたしは学校を休んだ。

山内君との間に、修復出来ない溝が生まれたショックで、とてもじゃないけど授業を受ける気力なんかなかったの。

それに、クラスメイトに会う元気もなかった。

みんなの前で暗い顔したくなかったの。

あたしのクラスは、みんな凄く仲良しなんだ。

泣き腫らした顔をしたら、みんなが絶対心配する。

それは避けたい、今日は。

あたしはひとしきり泣いたあと、玲哉君に夜6時に会う約束のLINEをし、私服に着替えて深呼吸をした。

もう、決めたよ。

有紗さんの要求を飲もう。

あたしは、どう考えても玲哉君と真朝さんをさしおいて、自分だけ楽しく幸せになんか暮らせない。
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