ナナ色Heart
真央は、毒舌キャラだよね。

あたしはそんな真央を見ながら苦笑した。

「ねえ、ナナ!あたし達はまだ高校生だよ?次行こ、次!!男なんてさ、わんさかいるわよ!彼だけが男じゃない!」

あたしはフフッと笑った。

「うん、そだね!」

言葉に出した相槌は、なんだか違和感ありすぎだったけど、真央はフワリと微笑んだ。

「ナナ……真朝さんが、目覚められたらいいね」

あたしは、頷いた。

ありがとね、真央。

教室の窓から空を見ると、黒い雲が広がっていて、ひどく暗かった。

今にも泣きそうな空は、まるであたしみたいだった。
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