ナナ色Heart
「ちょっ…ま、まっふぇ、そ、んにゃ、あ…あ、あたし、そんなつもりじゃ……!」

焦ってカミカミのあたしに眼もくれず、彼は上半身裸になってこっちを見た。

は、は、裸だよ、憧れの彼が、隣で服脱いだ……!

精悍な頬、形のいい顎につながる魅力的な首元。

それに、肩から胸にかけての男らしい体つきを目の当たりにして、あたしはソファの背もたれにのけ反ったまま動けずにいた。

「なあ……」

低く静かな声が響き、あたしは、飛び上がりそうになった。

「やだ、待って!」

あたしの制止を綺麗サッパリ無視し、彼はあたしの方に身を乗り出した。

ち、近いのよ、近いのよ、鼻と鼻が……触れそうなくらい……!

「お前さ」

「な、なに!!」

「どーゆーつもりな訳?」
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