ナナ色Heart
ガチャリと音がして、山内君の姿が消える。

あたしはその場にへたりこんだ。

『バイバイ、ナナ。愛してるよ』

愛してるよ。

愛してるよ。

「うわあああああっ!!!」

あたしは、めちゃくちゃに叫んだ。

じゃないと、頭がおかしくなりそうだったの。

好きだよ!

好きだよ!

好きだよ!

でも、玲哉君と真朝さんを思うと、こうするしかないの。

有紗さんが、憎い。

有紗さんなんて、大嫌い!

今までに抱いた事のない憎しみが心を支配して、この時のあたしの胸の中は、どす黒く汚れていた。
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