ナナ色Heart
至近距離から見つめられて、あたしは堪えきれずに彼を突き飛ばした。

「って!!」

「そ、そ、そっちこそ、どーゆーつもりよっ!
た、助けてもらったのは凄く感謝してるけど、その見返りに、こんな事、求めるなんて……!」

すると彼は、涼やかな瞳を不満そうに光らせて口を開いた。

「はあ?!なにエロい事考えてんだよっ!ボケか、お前はっ!これ見ろっ!」

言いながら、山内君はクルッと私に背を向けた。

「あっ……!!」

見ると、山内君の背中が広い範囲で真っ赤に腫れ上がり、所々青くなっている。

「これって、もしかして……」

すると苛立たしげにこっちを向いた山内君は、あたしを見つめて言った。
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