ナナ色Heart
「第一印象最悪の男なのに?」

あたしはおかしくて笑った。

「あー、ホントだ、忘れてたー。しかも誉めてもなんにも出なさそう!」

「こいつ!」

玲哉君が、大きく口を開けて笑いながら、あたしの首に腕を回した。

「苦しい!」

「はははは!」

……神様は、あたしが嫌いなのかもね。

本当に意地悪だよ。

「そーゆー事かよ」

真後ろから険を含んだ低い声がして、あたしと玲哉君は思わず振り返った。

山内君……!

ブラックジーンズとエンジ色のシャツを着た山内君が、唇を真一文字に引き結んで、あたしを睨んで立っていたの。
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