ナナ色Heart
山内君は瞳に嫌悪という光を浮かべて、あたしを冷たく見下ろした。

口元にはニヤリと意地の悪い微笑みが浮かんでいて、あたしは全身が震え出しそうになった。

「へえ……こいつがれいの、玲哉君かあ。
もしかして、俺と同時進行だったってか?」

「だ、から、玲哉君は、そうじゃないの。違うの」

「……ふざけんな」

短く吐き捨てるようにそう言うと、山内君は家とは逆方向へと踵を返した。

「二宮、追いかけろよ」

追いかける……?

あたしは、力なく首を横に振った。

正直、そんな気力はなかった。

だって、彼の眼は氷のようで、眼差しは刺すようだった。

「もう、いいんだ。もう別れたから……関係ないしね。それに、疲れちゃった」

あたしは、呟くように言った。

「もう、しんどくて」

「二宮……」
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