ナナ色Heart
『ナナ、俺と付き合って』

『ナナ、すげー好き』

『好きすぎて、頭がおかしくなりそうなんだけど』

『ナナを誰にも渡したくない。俺だけしか、ダメだ』

彼があたしに投げ掛けた言葉や、笑顔、拗ねた顔、抱き締めてくれた腕、強引だけど優しいキス。

……ああ、なんてあたしはバカなんだろう。

あんなにいっぱいの『好き』を、山内君はくれたのに、あたしは彼にアクションしただろうか?

いつもいつも貰ってばっかりで受け身で、そのくせに、有紗さんといた彼を信じられなくて。

あたしは、最低だ。

「きゃ、や、やだ、ナナ!!泣かないでよっ、大丈夫!?」
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