ナナ色Heart
そう言ってそっと離れると、彼はあたしの取りたかった本に手を伸ばし、それを手に取ると、あたしに差し出した。
「ありがとう……」
胸に込み上げた切なさと悲しみとで、あたしの声は掠れて小さかった。
彼はそんなあたしを優しい眼差しで見てから、
「じゃあな」
あたしは詩集を抱き締めたまま、彼の去った入り口を暫く見つめた。
……行かなきゃ……。
ようやく図書室を出て、病院へと向かう頃、玲哉君からラインがきた。
『あたしのが先に着くかも』
手早くラインを返してから、あたしは歩き出した。
真朝さんの病室は、6階にある。
「ありがとう……」
胸に込み上げた切なさと悲しみとで、あたしの声は掠れて小さかった。
彼はそんなあたしを優しい眼差しで見てから、
「じゃあな」
あたしは詩集を抱き締めたまま、彼の去った入り口を暫く見つめた。
……行かなきゃ……。
ようやく図書室を出て、病院へと向かう頃、玲哉君からラインがきた。
『あたしのが先に着くかも』
手早くラインを返してから、あたしは歩き出した。
真朝さんの病室は、6階にある。