ナナ色Heart
その拍子に図書室で借りた詩集が彼女にはたき落とされ、固い音をたてる。
あたしは、床に落ちた本に手を伸ばした。
そのあたしの手を、有紗さんが素早く踏みつけた。
「いたっ……」
高くて細い踵が、あたしの手の甲にギリギリと圧力をかける。
あたしは思わず膝を着いた。
「あなたみたいな人って、嘘臭いわ。
玲哉や真朝の為に自分を犠牲にして。
蓮と別れてまで、なんで他人をかばうのよ?
人は、みんな自分が大事でしょ?
なのに、どうして?
あなたみたいな人間、大嫌いよ!!」
段々と言葉を荒げた有紗さんを見上げると、彼女はいつかのように、瞳がギラギラして、小刻みに揺れ、視線はまるで定まっていなかった。
「おいっ!なにやってんだよ!」
あたしは、床に落ちた本に手を伸ばした。
そのあたしの手を、有紗さんが素早く踏みつけた。
「いたっ……」
高くて細い踵が、あたしの手の甲にギリギリと圧力をかける。
あたしは思わず膝を着いた。
「あなたみたいな人って、嘘臭いわ。
玲哉や真朝の為に自分を犠牲にして。
蓮と別れてまで、なんで他人をかばうのよ?
人は、みんな自分が大事でしょ?
なのに、どうして?
あなたみたいな人間、大嫌いよ!!」
段々と言葉を荒げた有紗さんを見上げると、彼女はいつかのように、瞳がギラギラして、小刻みに揺れ、視線はまるで定まっていなかった。
「おいっ!なにやってんだよ!」