ナナ色Heart
有紗さんの瞳に、苛立ちと悲しみとが混ざりあったような、暗い影が浮かんだ気がして、あたしは息を飲んだ。
「前のお前は、どこいったんだよ!?いつも笑ってたお前は、どこいったんだよ!?」
「やめてよ!」
有紗さんは、あたしと玲哉君を睨み据えると、踵を鳴らして足早に去っていった。
玲哉君は、あたしの手を取ると、そっと両手で包んだ。
「二宮……ごめんな。あいつ、なに言ったんだ?」
あたしは急いで首を横に振った。
「有紗と、いつから面識があったんだ?山内と別れたってのは、もしかして、有紗が絡んでるんじゃないのか?」
「山内君と別れたのは、玲哉君のせいじゃないし、有紗さんとも関係ないから。気にしないで。大丈夫だから。何にもないから」
声が震えてしまったけど、あたしは少し笑った。
その時、
「大丈夫?」
「前のお前は、どこいったんだよ!?いつも笑ってたお前は、どこいったんだよ!?」
「やめてよ!」
有紗さんは、あたしと玲哉君を睨み据えると、踵を鳴らして足早に去っていった。
玲哉君は、あたしの手を取ると、そっと両手で包んだ。
「二宮……ごめんな。あいつ、なに言ったんだ?」
あたしは急いで首を横に振った。
「有紗と、いつから面識があったんだ?山内と別れたってのは、もしかして、有紗が絡んでるんじゃないのか?」
「山内君と別れたのは、玲哉君のせいじゃないし、有紗さんとも関係ないから。気にしないで。大丈夫だから。何にもないから」
声が震えてしまったけど、あたしは少し笑った。
その時、
「大丈夫?」