ナナ色Heart
「本田さん、ありがとうございます」
玲哉君がペコリと頭を下げた。
あたしは本田さんにお礼を言ってから、渡された氷を手の甲に当てて、真朝さんの枕元に座った。
玲哉君は、悲しそうにあたしを見ていたから、あたしは笑った。
「今日ね、詩集を借りてきたんだ。愛の詩集。これを読もうと思ったんだけど、時間がなくなってきちゃったね」
玲哉君は、驚いたようにあたしを見たけど、切なそうに笑った。
「明日、読んでやってよ。……ごめんな、怪我させちゃって」
あたしは僅かに首を振った。
「平気だよ。じゃあ、今日は帰るけど……また、明日ね」
送るよ、と玲哉君が言ってくれたけど、あたしは断って病院を出た。
玲哉君がペコリと頭を下げた。
あたしは本田さんにお礼を言ってから、渡された氷を手の甲に当てて、真朝さんの枕元に座った。
玲哉君は、悲しそうにあたしを見ていたから、あたしは笑った。
「今日ね、詩集を借りてきたんだ。愛の詩集。これを読もうと思ったんだけど、時間がなくなってきちゃったね」
玲哉君は、驚いたようにあたしを見たけど、切なそうに笑った。
「明日、読んでやってよ。……ごめんな、怪我させちゃって」
あたしは僅かに首を振った。
「平気だよ。じゃあ、今日は帰るけど……また、明日ね」
送るよ、と玲哉君が言ってくれたけど、あたしは断って病院を出た。